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【2024年最新版】防爆とは?防爆機器の基礎知識と選び方ガイド

「防爆」と聞いて、どんなイメージをお持ちでしょうか?多くの方は単に「爆発を防ぐための装置」という印象をお持ちかもしれません。しかし、防爆に関する規格や構造は非常に複雑で、特定の環境で適切に機能するためには、適切な規格、構造、そして認証を取得した機器を使うことが重要です。
そこで今回は、防爆について概要を説明し、さらにそのような環境で使用できる適合機器をご紹介いたします。ぜひ、参考にしてください!

目次

  1. 1. 防爆とは?
  2. 2. 危険場所について
  3. 3. 防爆規格について
  4. 4. 防爆構造について
    1. 4-1. 本質安全防爆
    2. 4-2. 耐圧防爆構造
    3. 4-3. 内圧防爆構造
    4. 4-4. 安全増防爆構造
    5. 4-5. 非点火防爆構造
  5. 5. 防爆構造を示す記号について
  6. 6. まとめ

防爆とは?

「防爆」とは、可燃性のガス・蒸気・粉塵による火災や爆発を防止することで、その爆発を防ぐための仕様を防爆仕様といいます。

石油精製・石油化学・化学プラントなど常に可燃性ガスが発生している場所や発電所など爆発を避けなければいけない場所、可燃性物質を含んだ製品を製造・使用している工場など、様々な場所で防爆仕様は要求されます。
そして、このような危険場所では使用する電気機器も爆発を防止する構造の「防爆電気機器」を使用しなければなりません。

一言に危険場所と言っても爆発性雰囲気が生成される頻度や時間が異なるため、危険度に応じて防爆電気機器の構造を選定する必要があります。

危険場所について

爆発性雰囲気が生成されている場所を「危険場所」といい、危険場所の中でも爆発性雰囲気が生成される頻度や時間が異なるため、危険度に応じて3つに区分けされます。

● Zone0 (0種危険場所)

通常の状態において、爆発性雰囲気が連続して、または長時間継続して存在する場所

● Zone1 (1種危険場所)

通常の状態において、爆発性雰囲気を生成する可能性がある場所

● Zone2 (2種危険場所)

異常な状態において、爆発性雰囲気を生成する恐れがある場所

 

防爆規格について

危険場所の電気設備は政令により、電気設備が点火源となり、爆発の恐れがある場合、電気機器は「電気機械器具防爆構造規格」に適合するものであることが定められています。
また、使用する国に応じた防爆型式検定を取得する必要があり、各国毎に防爆規格が存在します。

・IECEx
国際規格
・ATEX
ヨーロッパ規格
・ATEX
ヨーロッパ規格
・UL
アメリカ規格
・JPEx
日本規格
・KCs
韓国規格
・Ex-CCC
中国規格

etc.

つまり、日本国内で使用する防爆機器は、
必ず日本の防爆型式検定を取得した機器を
使用しなければいけません!!

防爆構造について

防爆構造の種類は、爆発性ガスの存在する場所・使用目的に応じて分類されます。

● 本質安全防爆

正常状態及び特定の故障状態において、電気回路上で爆発を起こす要因となる熱的要因や火花の発生を防ぐ最も安全な防爆構造です。
Zone0(0種危険場所)に設置ができます。
その他防爆構造と比較すると小型・軽量ですが、大きな電力を消費する電気機器は適用できません。

【国内認定取得】防爆型放射温度計 ExTempシリーズ

【国内認定取得】耐熱180℃ 防爆放射温度計 EXM8シリーズ

● 耐圧防爆構造

電気機器を覆った密閉容器の内部で爆発が起こった場合に、容器自体が爆発圧力に耐え、かつ外部の可燃性ガス(爆発性雰囲気)への引火を防ぐ防爆構造です。
通常、Zone1(1種危険場所)およびZone2(2種危険場所)に設置されます。
電気機器を容器で覆う構造のため、防爆化が本質安全防爆に比べると容易です。
そのため、費用面などから最も一般的な防爆構造です。

【国内認定取得】防爆型 炎検知装置 BFL-3WW

● 内圧防爆構造

容器の内部に保護気体を圧入し、容器内部を高圧に保ち、可燃性ガスが侵入してこないようにした防爆構造です。
耐圧防爆構造では容器に入れることが困難な制御盤などの大型電気機器の防爆化に適した構造です。
通常、Zone1(1種危険場所)およびZone2(2種危険場所)に設置されます。

● 安全増防爆構造

正常状態でアークや火花が発生しない電気機器に対して、より安全性を高くする防爆構造です。
通常、Zone2(2種危険場所)で使用されます。

● 非点火防爆構造

正常状態及び特定の異常状態で、周囲の可燃性物質が存在する雰囲気を発火させる能力のない電気機器に適用する防爆構造です。
危険場所としてのリスクが低いZone2(2種危険場所)のみに使用できます。
「簡易防爆」とも呼ばれ、防爆としての保護基準を低減することにより、構造や要件の緩和が図られています。

【国内認定取得】ハンディ型サーモグラフィ FLIR Cx5

防爆構造を示す記号について

防爆製品にはその製品が対応している防爆の方法(種類)や温度等級、保護レベルなどを表す記号があります。
防爆記号には「国際整合防爆指針(通称:整合指針)」と「工場電気設備防爆指針(通称:構造規格)」の2種類あります。
前者は国際規格IECに準拠したもので、後者は国内規格です。
どちらの指針の基準でも型式認証されていれば日本での使用が可能です。

まとめ

防爆についての概要をご紹介しました。今回の第一弾では、入門的な内容をお伝えしましたが、防爆の世界はとても奥深く、多くの知識が必要です。危険な場所での爆発を防ぐことは大きな課題であり、そのためには設置するエリアの特性をしっかり理解し、それに適した機器を選ぶことが非常に重要です。
ジャパンセンサーでは、豊富な経験と実績に基づいて、さまざまな状況に対応する最適な機器をご提案しています。何かお困りのことがございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。