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よくあるご質問

放射温度計で炉内のワークを測定できますか?【放射温度計について】

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【炉内の測定】
一般的に炉内のワークの温度測定は困難です。
1)炉壁の温度が高く、炉壁から放射された赤外線がワーク表面で反射され、ワークからの
放射に加算されて放射温度計に入射されるため、温度指示値が高めになってしまいます。
再現性が得られれば良いという使用例においては、測定が可能となりますが炉壁温度が
一定という条件が付きます。

2)ワークの放射率が低い場合、上記影響が顕著になります。
ワークの放射率は0.8 以上が測定可能の目安です。

3)炉内に温度計を設置するのは、放射温度計の耐熱温度が問題となります。
水冷ジャケットを使用する場合はケーブルの耐熱にも配慮する必要があります。

4)炉外に温度計を設置する場合は、炉壁に穴を明ける必要があります。この場合、炉内の空気が
外部に流れないようにするためには、窓材を設置する必要があります。窓材の材質は測定波長
によって適切なものを選定します。

 

[炉壁からの影響]
温度計で測定される放射輝度Lo は次式で表されます。
Lo=ε・Lt+(1-ε)・Lw
ε :ワーク放射率
Lt :ワーク温度からの黒体放射輝度
Lw :炉壁温度からの黒体放射輝度

[計算例]
ワーク温度=300℃、炉壁温度=350℃として、測定波長における放射輝度をエネルギーテーブル
から求め、上式に代入し放射輝度Lo を計算します。つぎにLo を放射率設定値εs で割った後、
エネルギーテーブルで逆算して温度を求めます。

放射率設定値εs をワーク放射率εに設定すると、誤差が大きくなります。この場合、反射補正
機能のついている放射温度計では、温度指示値がワーク温度になるように反射補正値を設定すること
により正しい温度指示値を得ることができます。ただし、炉壁温度が一定であることが必要条件です。