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よくあるご質問

放射率に波長依存性はありますか?使用温度計によって表示される温度は変わりますか?【赤外線について】

PDF:IR07010_infrared_wave_dependence_of_emissivity

【放射率の波長依存性】
下図に代表的な熱放射体の放射率スペクトルελと放射発散度スペクトルMλを示します。

黒体(こくたい) ; 波長に関係なくελ=ε=1.0 で一定です。
灰色体(かいしょくたい) ; 波長に関係なくελ=εで一定であるがεは物体によって異なり、
1.0 より小さい値です。
選択放射体 ; 波長によりελが変化します。

放射率の波長依存性の例を下図に示します。

一般に金属では、波長が長くなるにつれて放射率が低くなります。放射率だけの観点からいえ
ば、放射温度計で金属の表面温度を測定しようとする場合、波長の短い検出素子で測定する方が、
放射率が高いので放射エネルギーが大きく、逆に反射率が小さく外乱光による影響が少ないため、
より安定な測定ができることになります。

塗料や布など一般的に可視光の領域では、黒いものほど放射率が高く白いものほど放射率が
低くなります。ところが赤外の領域では色に関係なく、放射率が高くなります。

我々は経験的に黒いもののほうが熱を吸収しやすいということを知っていますが、これは可視光に
放射エネルギーのピークを持つ太陽光の下での話しであって、温度が低く放射エネルギーのピークが
赤外の領域にあるストーブで温める場合は、いずれも放射率(吸収率)が高いので色には関係しません。

全波長にわたって放射率を求めたものが、全放射率εT で

となります。
温度によって放射エネルギースペクトルが変わるため、波長依存性のあるものの全放射率εT は
温度によって変わります。