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よくあるご質問

放射温度計で正確な温度測定を行う際には「放射率」の設定が求められていますが、なぜ放射率を設定しないといけないのでしょうか?【放射温度計について】

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【放射率設定】

物体の放射率は1.0 より低いため、放射エネルギーは同温度の黒体より少なくなります。従って、
そのまま温度表示をすると実際の温度より低く表示されることになります。放射温度計では物体の放
射率εを設定し、測定された赤外線量を1/εすることにより放射率1.0 に換算します。
放射率は波長依存性があるため放射温度計の測定波長における放射率を設定する必要があります。

[設定誤差]
また、一般に短い波長の放射温度計では長い波長のものより、放射率設定誤差が小さくなります。
これは温度による放射エネルギーの変化量が大きいからです。例として0~1000℃の温度と
放射エネルギー比の特性を当社の代表的な温度計について下図に示します。

放射率0.8 のワークを放射率設定1.0で測定した場合、1000℃に対し波長6.5~10.5μm は

860℃、0.8~1.0μm は990℃を指示することになります。

[室温放射の補正]
室内で室温付近のワーク温度を測定する場合、室温(天井、壁)の放射エネルギーがワーク表面で反
射されて放射温度計に加算されて入射されます。ワークの放射率εを0.3 とすると透過のない場合
にワークの反射率ρは0.7 となります。この時、放射温度計に入射されるエネルギーは次式となります。

[放射温度計に入射されるエネルギー]=[ワークε1.0 の放射]×ε+[室温の放射]×(1-ε)
さらに室温を25℃とした場合の各部エネルギーを下図に示します。

この図からわかるようにワーク温度が室温(25℃)より高い場合には放射率設定値を小さくすることにより、
放射温度計の温度指示値は高くなりますが、ワーク温度が室温(25℃)より低い場合には逆に
温度指示値が低くなります。

また、屋外での測定では室温からの反射成分がないためワーク温度が25℃より低い場合でも、
放射温度計に入射される放射エネルギーはε1.0 よりも小さくなります。このため当社の放射温度計では、
モード設定(室温補正)により室温からの反射成分を加算しない方式を選択できるようにしています。