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よくあるご質問

放射温度計の仕様には測定波長が書かれていますが、それはどのような時に重要になりますか?【放射温度計について】

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【放射温度計の波長選択】

放射温度計ではどの波長を使用してワークの温度を測定するかが、非常に重要となります。
1) ガラス、フィルムの測定
ガラスやプラスチックフィルムは選択放射体であり、特定の波長で透過と吸収(放射)が大きく
変化します。透過が大きい波長では放射率が低いため、温度測定がうまくできません。
このため吸収(放射)が大きい波長で測定する必要があります。

プラスチックフィルムは材質によって吸収波長が異なります。主な材質の吸収波長をつぎに
示します。

ポリオレフィン系フィルム 3.4μm
PET、ナイロン、ポリイミド 7.9μm

フィルムの分光透過率(例)

ガラスは波長が長くなると透過しなくなり、吸収(放射)が大きくなります。
また、厚さが薄いほど透過する波長が長くなります。

窓板ガラス 2.7μm 以上
石英ガラス 4.7μm 以上

また、ガラスは波長が6μm 以上で反射率の高い領域があるため、4.9~5.3μm の波長を利用する
場合が多くなります。

石英の分光透過率、反射率

2) 金属の測定
金属は一般的に波長が長くなるほど放射率が低くなり、温度測定が困難になります。このため
波長が短く放射率の高い領域で測定するほうが有利です。ただし、太陽光、照明光などの反射の
影響を受けやすくなるので注意が必要です。また、光沢のある金属は放射率が0.1 以下で測定困難です。

3) 常温付近の測定
常温付近では放射される赤外線の量が小さく、ピークが約10μm にあるため感度の波長依存性
が少ない熱形検出素子を用いて、8~13μm(大気の窓)や6.5~10.5μm が使用されます。また、
感度の高いMCT(HgCdTe)を用いて3~4μm(大気の窓) が使用されます。

4) 光学フィルタ
検出素子の感度特性だけでは、上記のような任意の波長を選択することができないため、光学
フィルタを使用して、特定波長の赤外線のみを検出素子に入射させるようにしています。